新しい風が吹いた。 珍竜軒 下関本店(下関市長府黒門東町)
“明らかにこれまでの下関のそれとは異なる一杯”
歴史情緒の溢れるまち、城下町長府。
北九州市小倉北区の老舗人気ラーメン店の暖簾分けのお店とのこと。
暖簾をくぐると、店内には清潔感があり、大将と奥さんと思われる女性がテキパキと仕事をこなしている。
カウンター席と小上がり、奥にはテーブル席もあり、おひとりさまから家族連れまで幅広く対応している様子。
ラーメン(650円)を麺のかたさ「ふつう」、ニンニク「あり」で注文。
“明らかにこれまでの下関のそれとは異なる一杯。”
こちらのラーメンを初めて食べた時の印象がこれでした。
ただ…
うまいなぁ~!!と思わずつぶやく。
“ニンニクとの相乗効果で一気に深みを増すスープ”
嫌な豚骨臭さはほとんど感じない、サラリとしたミルキーなスープ。
あっさりしているが、けして薄い訳ではなく、しっかりと豚骨エキスは抽出している。
注文の際に聞かれるニンニクは、特に事情がない限り入れることをお勧めする。
ニンニクとの相乗効果でスープが一気に深みを増す。
麺は中細ストレート麺。
下関特有のモチモチで麺ではなく、やや加水率の低いザクザクとした噛み応えのある麺。
単純に麺1玉が大きいのか、普通盛りで結構お腹いっぱいになる。
大盛(100円増)、小盛(100円引)も用意されており、胃袋と相談できるのもうれしい。
肉を食べてるなぁと感じさせてくれる野性味あふれるチャーシュー。
程よく味付けしてあり、あっさりスープと絶妙のバランスで調和している。
よくあるスライスチャーシューとは別に、角切りのサイコロチャーシューも投入されており、食感の違いを楽しめる。
次回はチャーシューメンにしようと心に誓う。
トッピングのネギともやしのシャキシャキした食感がある種の箸休め的な存在となり、最後まで飽きずに食べられる。
隣のお客さんが食べていたネギラーメンに目を奪われる。
山盛ネギの強烈なインパクト、ネギ好きにはたまらないと思う。
卓上の辛子味噌やミルで挽く黒胡椒、ゴマ、紅ショウガなどカスタマイズメニューも豊富で、自分なりの一杯を探すのもここの楽しみだと言える。
なお、注文時にお願いすれば「酢」を入れてもらうことも可能。
元々あっさり仕様の豚骨スープだが、更にさっぱり食べたいときは試してもらいたい。
“今まで下関になかったからダメだ”という理論を真っ向から否定する一杯。
特に飲食店における新規参入が難しい風潮がある下関。
お店が繁盛していることから見ても、本物を提供すれば、下関も受け入れてくれるという事を証明したお店なのかもしれない。
どこかの市長が「多様性は可能性」だと言っていた。
下関のラーメン界にも多様性の風が吹き始めたのかもしれない。
ごちそうさまでした。
[珍竜軒 下関本店]
山口県下関市長府黒門東町
11:00~18:00(土日祝は20:00まで)
定休日:月曜日(月が祝の場合は翌日)
※最新の営業時間・定休日はお店にご確認下さい
サワー伯爵 30代 会社員
田舎とはかけ離れたような、でも嫌味のないスタイリッシュなファッションセンスと調和を好む社交性は正に「ナポリ野郎」。
最近はB級グルメを探求するあまり体重が増加しおしゃれに支障が出てきたことが悩み。
そんなサワー伯爵の「B級グルメコラム」